乗り物VEHICLES
船・飛行機・自動車。水と空気の中で、乗り物はどう曲がり、浮き、止まるのか。

舵を切っても、大きな船はすぐには曲がらない
長さ276 mの満載のタンカーでは、曲がり始めの遅れを表す時間Tが約200秒ある。

相手を右に見る船が避ける。海の上で船同士がぶつからない決まり
横切る2隻のうち、相手を右舷に見る船が右へ大きく曲がって相手の後ろを通り、もう1隻は針路も速さも変えない。

旅客機は速さだけでは浮かない。機首を上げて迎え角をつくる
ボーイング737-800は時速280 km近くまで加速してから機首を上げ、その数秒後に車輪が滑走路を離れる。

速い車は水面を跳ねて滑る。遅くなると水を押しのけて沈む
水が車を押し上げる力は、速さの2乗と、水に触れる底の面積と傾きで決まる。

船の自動操縦は、ずれに比例する舵だけだと大きな船を蛇行させる
航路からのずれに比例して舵を切る自動操縦は、大きな船を蛇行させ、風や潮に押された分のずれも残す。

乗用車は傾いた坂で、転ぶより先にすべり出す
横に傾いた坂を横切る車は、谷側のタイヤに重さが寄る。
自然NATURE
星・ブラックホール・水面・生き物。自然がひとりでに作る動きと形。

公転する惑星は、太陽へ落ち続けながら横へ進んでいる
地球は1秒に約30 km進むあいだに、太陽の方へ約3 mm落ちている。

ブラックホールに近づいた星は、なぜ回り続けられないのか
太陽のまわりなら、どれほど近くても円を描いて回れる。

脳も設計図もないのに、粘菌の網や動物の模様が形になるわけ
迷路を満たした粘菌は、入口と出口の餌をいちばん短い道の管で結ぶ。

音で揺らした水面は、揺れの半分の周波数で模様を描く
皿の水を50 Hzで上下に揺らすと、水面には25 Hzで上下する格子の模様が立つ。

雫が水に落ちると、くぼみが閉じる勢いで柱が立つ
直径7 mmの雫が40 cmの高さから水に落ちると、0.1秒あまりの間にくぼみと王冠ができて消え、真ん中から柱が立つ。

浜辺の波が岸と平行に寄せてくるのは、浅い所ほど遅いから
沖では斜めに進む波も、波打ち際では正面から寄せてくる。

電波は、アンテナからちぎれた電場の輪になって飛んでいく
Wi-Fiのアンテナの中では、電流が1秒に24億回往復している。

木の枝ぶりは、芽どうしの光の取り合いで決まる
木は芽をたくさん作るが、その多くは長く残る枝にならない。


